「ツァイガルニック効果ってね、実は、マーケティングに効果的なんです。特に続きを見させるという点に関して重要な心理テクニックです。お客さんがどんどん次を見てくれるんです。そんな方法を知りたくないですか?」
その方法を最後まで見てくださったあなただけにご紹介します。
要約すると、これがツァイガルニック効果です。
ツァイガルニック効果とは?
ツァイガルニック効果とは、ある事柄に関して達成できたことよりも、達成できなかったことや中断してしまったことのほうがよく覚えているという現象です。
また発音の違いで、ツァイガルニク効果とか、ゼイガルニク効果、ゼイガルニック効果などとも呼ばれています。
これは、ソ連の心理学者ブリューマ・ヴリホヴナ・ツァイガルニックさんの名前にちなんでつけられた心理学効果です。
ツァイガルニックさんの実際の実験がコチラです。
青色グループ:
- 課題を与える→課題完了→次の課題を与える
ピンクグループ:
- 課題を与える→中断→次の課題を与える
実験結果を検証すると、課題を中断させられたピンクグループのほうが青グループよりも課題内容をよく覚えているという結果になったんです。
この実験から、人間は目標やゴール、結末を知れなかったほうが、より気になって物事を覚えていることがわかりました。
また、逆に言うと、人は目標や課題を定められて行動するとき、未達で終わったことはスッキリしないので、最後まで続けて、モヤモヤを解消したいと思う性質があるんです。
ではこのツァイガルニック効果がマーケティングにどう活かせるのでしょうか?
マーケティングでツァイガルニック効果をどう活かす?活用事例
このツァイガルニック効果はお客様の「見たい!欲しい!やってみたい!」を引き出します。
例えば、よくトーク番組やバラエティー番組でも、かなり良いシーンで、
「続きはCMのあとで!!」と言われ、モヤモヤしたり、「せっかく良いところだったのに〜」となった経験ありますよね。
また、CMの見せ方のテクニックとは別に、
全く興味がなかったテレビ番組も、見るつもりがなかったのに、なんとなくストーリーが面白く、最後まで見てしまった経験が誰しも一度はあるかもしれません。
これはドキュメンタリーや物語などの脚本は先に進まないと結論(オチ)がわからない構成になっているからです。
ストーリーにのせて結論やフィナーレを最後に持ってくることで最後まで視聴者を飽きさせない仕組みがゴリゴリつかわれているのです。
これがツァイガルニック効果の活用事例だったのです。
- 「つづきはCMのあと」
- 「この正体はいったい…」
- 「衝撃の結末が…」
- 「ドライバーの運転に唖然!いったいそのワケとは?」
- 「スーパー小学六年生を発掘!その驚くべき特技とは?」
といった感じで、なにかのチャレンジで【成功したか】【失敗したか】などのクイズ形式や結果発表などの構成だと【続き】が気になるのでCMに入りやすいですよね。
気になる部分を煽って煽って、CMに入ると、結果が気になって結局CMも見てしまいます。
まとめると、続きをみせたり、やりたいって思わせたりするためには、完全に魅せきるのではなく、相手の脳に不完全な状態で終わらせるということが大切なんですね。
ウェブマーケティングではどう活かすのか?
簡単にユーザーの動向の流れは以下の通りです。
まずWEBマーケティングでWEB広告などを使う前提でお話します。
ツァイガルニック効果は見せることによく使えるので、ウェブマーケティング領域では
- 認知に関すること
- クリック率に関すること
に有益な効果を発揮します。
例①認知領域:画像・映像クリエイティブにツァイガルニック効果を使ってみよう
例として、ダイエットをしている人にこの画像を見せたら、どんなダイエット結果になったんだろう?結果見てみたいなとおもいますよね。
そうやって、まず見つけてもらい興味を引き出すには閲覧者の視覚でツァイガルニック効果を使います。
例えば、ツァイガルニック効果を用いたクリエイティブ(バナー)を作ったり、タイトルや広告文にするのです。
ほんの一例ですが、バナーを作る時も左側をビフォア、右側をハテナ?(アフターはあえて見せない)でクリックした先にビフォア・アフターがわかるようなクリエイティブにするのもいいでしょう。
他にも、商品の画像をわざとモザイクをかけてうっすら見えるけど、ギリギリ見えないバナーを作るなどもありますね。
例②クリック領域:その先を読みたくなるタイトルにツァイガルニック効果を使う
いい商品やサービスがあって、最強のランディングページができても、見て読んでもらわないと意味がありませんよね。
では、お客様に絶対に見たくなるようにするためにはどうするのか?
答えは、タイトルや広告文にありました。
「この先がどうなっているのか、絶対に見てみたい!」と思わせるタイトルや広告文にする必要があります。
具体例をあげますね。
- みんな笑ったけど◯◯を試してみた結果…
- なぜ人は見た目が9割と言われるのか?衝撃のデータが…
- 楽ちんライティング完全マニュアル9ステップ!その内容は?
- 偏差値39だった私がわずか8ヶ月で〇〇大学に大逆転合格した方法を完全公開(◯◯は超難関校を入れる)
このような感じでその先の内容がどうしてもどうしても結論がみたくなるようにタイトルをつけることが重要です。
③・④はもうすでに内容を見ている状態なので割愛しますね。
人の教育やモチベーションもツァイガルニック効果で引き出せる
ツァイガルニック効果は、人のモチベーションや動機づけにも活かせるなと思った事例がありました。
私には子供がいるので教育系の書籍を読むことがあります。そんなときであったのが、SONY創業者で幼児開発研究のプロ、井深大先生の書籍でした。
ちなみに「幼稚園では遅すぎる。人生は三歳までにつくられる!」という書籍です。
この書籍の中で、鈴木バイオリン教室の子供たちにどうやってバイオリンに興味をもたせるかという手法の事例が紹介されています。
鈴木バイオリン教室の鈴木先生はどのようにして子供たちを興味付けさせるかのプロです。
そもそも、人って他人から強制されたことに興味も湧きませんし、やりたくもありませんよね。
しかし、自分から能動的に自発的に興味をもったことであればとことん追求してしまいます。
どうやって無理やり連れてこられた子供たちにバイオリンを自分からしたいと思わせるかと言うと、「バイオリンに一切触れさせない」ということをやるそうです。
つまり、相手に「やりなさい」を言わずに、自分から「やらせて」を引き出すのですね。
もちろん、自分と同じ年齢の子が黙々とバイオリンを引いているので、自分もやりたくなってくる。
しかし、子供がやりたくなってくる段階ではまだバイオリンは触れさせません。
そしてやりたいやりたい欲求が最高潮になった時に初めてバイオリンを触らせるのだそうです。
これって、まさにツァイガルニック効果の活用事例ですよね。
コレを応用すると、大人の人でもモチベーションの動機づけのきっかけに応用できるんじゃないかなって思いました。
子供の勉強でも有効的に使える!ツァイガルニック効果
親に勉強しろと言われた経験はありますか?私は何度かありますが、その時は、全くやる気が起こりません。
なぜなら、自分でやろうと思ったからではないし、【親に言われたから勉強をした】自分を受け入れることができないからです。
子供に勉強してほしかったら、勉強をしろと言ってはいけないのです。
どうするかというと、親が勉強する姿を見せてあげれば良いのです。もちろん読書でもいいでしょう。
「学ぶことっておもしろいの?」って思ってもらうのが大切です。
ツァイガルニック効果のように、問題をクイズ形式やゲーム形式にして工夫してもいいでしょう。
一緒にゲームをして楽しで、勉強(クイズやゲーム形式)を辞めるのを嫌がるように工夫するのもいいでしょう。
子供には勉強をしろと言って、自分はドラマを見ていたりすると、一貫性がありません。
とにかく楽しんで親が学んでいるという姿や仕事をしている姿を見せると、「なんとなく楽しそう」を演出してみましょう。
ツァイガルニック効果のまとめ
ツァイガルニック効果は人気のYouTuberさんが効果的に使っていたり、テレビの番組でもしょっちゅう使われている心理テクニックです。
「え?その先、どうなっちゃうの?」
「え?ここで終わっちゃうの?」
「結果、どうなったの?」
「え、自分もやってみたい!えええ、やり方は教えてくれないの?」
こういった状態を演出することで効果的に相手に動いてもらうことができるようになりますね。
だから、ツァイガルニック効果の活用事例を学ぶために特別なことをする必要はありません。
面白い番組がなぜ面白いのか?自分の好きな人気チューチューバーの動画をなぜ最後まで見てしまうのか?と疑問に思いながらツァイガルニック効果がどう使われているかをメモしてストックすれば自分のものになりますよ。
そして、ご自身のマーケティングに活用してみてください。