WEBディレクションってそもそもなんだろう?なんでWEBディレクターって必要なんだろう?
そもそも事業者と製作者がいれば、中間の人なんていらないんじゃないか?そんな疑問を持って悩んだ時期がありました。
しかし、ウェブディレクターは潤滑油とクッションのような働きをすると思ったので、WEBディレクションの全体像をアウトプットしてみることにしました。
この記事を読むことで、WEBディレクションの全体像や必要性、その役割までわかるように解説しました。是非御覧ください。
前提としてWEBディレクション初心者向けの内容です
ディレクションは幅広く、大規模サイトなオウンドメディアサイトやコーポレートサイト、ランディングページなど含まれるのであくまでも基礎的な内容になります。
WEBディレクションで悩んでいた初心者のころの自分に向けて書きました。
ディレクション・ディレクターってなんなの?
そもそも、ディレクターとかディレクションってなんなんだろということで、言葉の定義を調べてみました。
まずはディレクターから。
ディレクターとは:ディレクターとは制作物の作品としての質に責任を持つ者のこと。その責務を全うするために、企画・立案・制作に関与して業務全般をつかさどる場合もある。
「ウィキペディア」より引用
ちなみに、ディレクション(direction)の英語の語源で調べてみると、
directionとは:方向、方角、方位、方面、(思想などの)傾向、動向、動き、指揮、指導、監督
「weblio」より引用
とのことです。
つまり、ウェブディレクターとは、WEB製作や運用において指揮したりマネジメントしたりして、成果物にコミットすることを言います。
WEBディレクションの役割とはなにか?
WEBディレクションはサイト運営(アプリも含む)のプロジェクトを円滑に行えるように指揮する監督のような役割です。
うまい言葉が見当たらなかったので、あえて【監督】と表現しましたが、あくまでも役割であり、偉いとか上に立つとかそういう話では一切ありません。
プロジェクトに関わるありとあらゆる要素(人・成果物・予算・コミュニケーション・リスク)が上手く回るように調整したりコミュニケーションしたりする潤滑油のような働きをするのがWEBディレクターです。
例えば、成果物のクオリティーやゴール設計、タイムスケジュールと項目をガントチャートに落とし込みプロジェクトの全体像を把握します。
そして、巻き込む協力者のアサインや他の仕事を抱えているエンジニアの方の調整や配慮があります。
他にも予算の算定やこのプロジェクトのリスク(実現可能なのか)といったことも考えたりします。
まさにウェブディレクターはプロジェクトの縁の下の力持ち的存在です。
ウェブディレクターは情報のハブ的存在
左の図は、ウェブディレクターがいない場合を示しています。この場合、あらゆる業務が独立して情報のやり取りが散らばり、抜け漏れがおこりやすくなります。
しかしウェブディレクターがいるどうでしょう。各々のスペシャリストや予算の管理、あらゆるリスク管理に関わるメンバーを情報共有して情報伝達やコミュニケーションがスムーズになるのがわかると思います。
ウェブディレクターはプロジェクトにおける情報伝達のハブとなるのです。
WEBディレクターの立場には2種類ある
そもそも、サイト製作は内製化している企業もありますが、社内リソースが避けなかったりして外注している企業がおおくあります。
そのときに、一口にウェブディレクターといっても大枠で分けると、2種類のディレクターがいます。
一つは事業会社のディレクターともう一つが制作会社や広告代理店のディレクターです。
事業会社とは、モノやサービスを届けている企業のことを言います。例えば、脱毛サロンや、健康食品のメーカーさんなどです。
それに対して、
制作会社や広告代理店とは、事業会社のウェブサイトやランディングページ、広告運用を行う企業のことを言います。
事業会社のディレクターと制作会社のディレクターさんは窓口とか呼ばれたりして、事業会社のハブと制作会社のハブのやり取りをおこないます。
①事業会社のWEBディレクターの役割
事業会社のディレクターさんは、主に会社のやりたいことや見せていきたいことを企画から設計していきます。
新しい企画の場合は、運用していくウェブサイトのゴール設計や目的、ターゲティングやポジショニングなどを主に吸い上げて全体像を見える化していきます。
ウェブサイトの運用が始まると、ディレクターさんが経営者と一緒に企画をねったり、新しいメニューの考案したり、数字をもとにサイトの改善を行っていきます。
②制作会社のWEBディレクターの役割
制作会社や広告代理店のディレクターさんは事業会社のディレクターさんと一緒に二人三脚で歩むことが多いです。
また、企画前の段階ではブレストから一緒に会議に参加したり、事業会社側が行いたいことや相談、集客などに関する悩みや要望を一緒に考えます。
具体的に決済がおりると、事業会社でデザイナーさんやエンジニアの方々と一緒にスケジュール感の確認や共有をしていくことになります。
その際に必要な技術や、UI/UX、ワイヤーフレームやプロトタイプをデザイナーさんやエンジニアの方々と進めます。
WEBサイトがリリースされれば次はサイトの運用を事業会社と一緒にタッグを組んで伸ばします。
事業会社の要望と自社内(制作会社)の人的リソースを加味してガントチャートやカスタマージャーニーマップを作っていきます。
その際に、事業会社の内側視点と違う、外側から見える客観視点などで新しい提案なども行ったりもします。
ウェブディレクターに必要な能力とは?
ウェブディレクターの必要な能力ってどんなものがあるんだろうといいうことで出してみました。
事業会社のディレクターと制作会社のディレクターでは多少必要な能力が変わってきます。
事業会社のウェブディレクターが必要なスキル
事業会社のディレクターは広告媒体の細かい配信の手法などよりは、おもに自分達のサービスに関する情報を深く掘っていくことになります。
例えば、
- 自分達の会社のサービスのこと
- 自社商品のUSPやキャッチコピーを作る
- 自社商品の特徴や強み、弱み
- ライバルの調査
- 取れるデータに基づいて改善
- 事業における広告のガイドライン(法務的な部分)
などの自分達のビジネスに関する能力が必要になります。
制作会社のウェブディレクターの必要なスキル
事業会社のディレクターはサービス深堀りに対して、制作会社や広告代理店のディレクターの場合は製作に関する知識を深く掘っていきます。
例えば、
- デザインやプログラム、データベース設計やサーバーの知識
- UI/UXや画面の動きなど
- 新しいデバイスの調査(Mac・Window/iPhone・アンドロイド/タブレット)
- 各ネット関連の広告媒体の強み・弱み・特性のキャッチアップ
- 検索エンジンの強み・弱み・特性のキャッチアップ
- 新しい広告媒体を調べたり調査する力
- お客さんの「つまり、こんなことを実現したい」を引き出す質問力
が必要になります。
それは、何が実現可能で、何が実現不可能か、全体像と細部の技術を知らないとお客様の要望に答えられないからです。
ウェブディレクターは広い知識とマーケティングを勉強しなければいけません。
- 事業会社の要望に堪えるためにWEBを支える技術は幅広く知っておく必要があるから
- 技術者たちと深い議論をするためには知識が必要だから
- とにかく時間に追われている技術者(デザイナーさんやエンジニアの方々)たちの気持ちがわからないと「話してもどうせムダ」と思われて技術者たちの良さを引き出せないから
- プログラミングがわからないとWEB上で何ができて何ができないかわからないと提案ができないから
- デザインがわからないとワイヤーや構成をいつも感覚で行ってしまうことになるから
- データーベースがわからないとCRMや顧客情報をうまく活用することができないから
- 新しい広告媒体を調査しないとお客さんに提案ができないから
このようにウェブディレクターは情報を広く勉強していかなければなりません。
そうはいってもみんな得意領域と不得意な領域がある。
どんなウェブディレクターも完璧ではない
私がウェブディレクターをやっていて、ちょっと励みになったのは、どんなすごいWEBディレクターさんであっても、得意領域と不得意領域があったことでした。頭がいいなぁっと思える方でも。
私は初め、何もかも体得しないといけないと思いこんでいたんですが、尊敬する上司も、不得意な領域もあったのです。
例えば、
- 技術にすごい詳しいけど、デザインのアイディアは苦手な方
- 広告運用はすごい詳しいけど、SEO関連の情報は苦手
- SEO関連の情報やサイト構成、設計が得意だけど広告はそこまで強くない方
- SNS広告やクリエイティブのアイディアに強い方
- 論理的な思考能力が高すぎて地頭のいい方
- クリエイティブでなんでこんなアイディア作れるの?っていう方
など、様々な方向性をもつディレクターさんがいました。
なので、必要な能力というのは一般論であり、実際のところは、ディレクターさんやマーケターの方々も興味のある領域や得意なジャンルに分かれます。
ディレクションするにあたり、自分の得意領域を作ることが重要で、必ずしも全てができる必要はないと感じています。
ウェブサイト製作の流れの全体像
WEBディレクターになると業務のフローはこのようになります。
ウェブディレクターは情報のハブになるので、この工程でほとんどすべて関わります。
例えば、ウェブディレクターは経営者と一緒になって新しく始めるWEBサイトのゴールや目的、戦略や戦術、ターゲットやどんなポジションを取りに行くのかをねっていきます。
他にも、サービスリリースまでのスケジュールを組んだり、エンディニアの方々やウェブデザイナーの方々とコミュニケーションを取りながら進めます。
リリースされれば、お客様の動向がヒートマップツールやGoogleAnalytics、サーチコンソールなどから数字が拾えますので改善したり、新たにコンテンツを追加したりします。
ウェブサイト製作の進め方
ウェブサイト制作の流れをつかんでもらったので、次に、ウェブ制作の進め方をご紹介します。
その前に、ウェブ制作の流れについて、ウェブディレクターさんの立場(事業会社のウェブディレクターなのか、制作会社のウェブディレクターなのか)によって進め方もその会社によって異なります。
また、もともと一緒に取り組み関係値と信頼性がある状態で新しいプロジェクトに取り組むのか、あるいは初めての会社さん同士なのかで進め方がことなります。
ですのであくまでも一般論としてご紹介します。
ウェブサイトを製作・運用するためのゴールを明確にする
まず、もともと取引先であろうと、新規のお客様との取り組みであろうと、まずはウェブサイトを製作・運用するゴールを明確にする必要があります。
なぜなら、なんとなく制作すると、結果もよくわからないものになるからです。
この現象は、事業会社と制作会社の情報格差があればあるほど起こりやすいと言えます。
例えば、事業会社は製品やサービスにはかなり自信があるけど、ウェブマーケティングに関して全くの知見がない場合です。
- 「ウェブサイトを作れば集客できるんじゃないかなぁ?」
- SNSでインフルエンサーにお願いすれば売れるんじゃないかなぁ
といった具合で、事業会社側の知見が少ない場合などもよくあります。
そういう場合は、ゴールを明確にし、カスタマージャーニーを描き、運用する目的とゴールを明確にする必要があります。
意思決定者を明確にする
ウェブ制作・運用のプロジェクトに関わる人達が増えるとプロジェクト管理が複雑になってきます。
そうなったときに、誰が意思決定者なのかを明確にするといいでしょう。
しかし、意思決定者だからといって全責任を押し付けるのではなく、みんなで協力して作り上げていくというのは前提です。
もちろん、意思決定者だけではなく、プロジェクトに関わるすべての人は、プロジェクトに関わる問題はすべて自分の責任だという気概をもって取り組む必要があります。
また、大人の事情であったり、社内政治的なものも必ずどこの会社でもあるので、誰がキーマンなのかも知るとプロジェクトは進めやすいと思います。
伝達方法を決める
プロジェクトの伝達方法としては、
- プロジェクトに関わる人を集めたグループを作る
- 連絡ツールは一本化する
伝達方法もできれば一本化できると最高です。
「メールを使ってチャットワークを使ってSlackをつかってラインを使う」などのようなことがあるとどこに送ったのかわかりづらくなります。
なので、連絡や報告、進捗などはどれか一つのツールに絞ってプロジェクト管理することをおすすめします。
ウェブディレクションのまとめ
今回のおさらいですが、ウェブディレクターの「仕事は縁の下の力持ち」です。
エンジニアさんやデザイナーさんが仕事をやりやすいようにしてあげたり、クライアント先のディレクターと意思疎通をとり、プロジェクトの成功と運用に取り組みます。
また、プロジェクトに関わるみんなの情報のハブになり、コニュニケーションの潤滑油となり、監督のように導く役割になります。
では、早速、あなたも潤滑油と縁の下の力持ちになってみましょう。