会社って買ったり、売ったりできると知ったのは、恥ずかしながら社会人になってからでした。
でも、どうやって会社って価値を決めたりしてるんだろう?とふと疑問に思ってました。
私は小さい規模ながらも、会社を売却する時になって、初めてその時に企業価値ってなんや?となったことを覚えています。
会計士の先生にいろいろアドバイスを頂きながら一緒に進めて行ったことでちょっとだけわかってきました。
その後、シード期のベンチャーへの出資を経験しました。またその頃から株式投資もやってみたいと思って株式投資もやるようになりました。
企業の価値は実は掴みにくい?
上場企業で、丸仙代山岡家があります。
私はラーメンが大好きなんですが、ラーメン山岡家というラーメンをご存知ですか。
こういったラーメンを提供しています。
こちらの企業は2023年10月時点だと、時価総額212億円の価値がついています。
しかし、2023/9/14発表の有価証券報告書のレポートを見ると、
純資産は27億4,220万円になっています。
つまり、純資産が27億5000万円なのに時価総額は212億円の価値がついています。
時価総額が212億円で純資産が27億4000万円ってどういうことなの?
これは一体どういうことなのか?
BSで一目瞭然!企業価値の定義は時価総額+有利子負債
これが最重要図解の1枚です。もうこれだけでいいです。順番に解説していきます。
結論から言うと、企業価値は株式時価総額+有利子負債で表せます。(マーケットアプローチの場合)
投資する場合は、企業価値を大きくしようとしている企業に投資すればいいし、企業で働いている場合は時価総額+有利子負債の領域を大きくすればいいということになります。
企業でマーケティングの仕事をしていると、運用やデザイン、コピーライティング、顧客導線だけではなくもっと視野を広くした事業価値の向上や企業価値を上げるように考えることが多くなってくると思います。
でも、企業価値や事業価値を最大化させようと思っても、何をどうしたら、事業価値や企業価値が上がるのかわかりませんでしたが、この図を見ればスッキリできます。
3つの企業価値算定方法
ちなみに企業の価値を測る方法として3つあります。
- 直純資産法
- マーケットアプローチ(今の記事のもの)
- インカムアプローチ
の三つがありますが、詳しくは今回は解説しないので興味がある方はググってみてください。
結局は顧客に価値をひたすら届けていくことが重要だった
結局、顧客を見てお客様のために事業を行うのが1番だったと気づきました。BSを見ても明らかでした。
それが最終的に時価総額が上がっていくんだなぁと改めて思います。
当たり前なこと言うとユーザー、離脱するでw w
わかります。でもちょっと待ってください。真意を説明させてください。
お金を銀行から融資を受けると、負債へ。投資家から出資を受けると純資産へ。
そのお金を元に他の資産に変えて、エンドユーザー(顧客)に価値の提供しますよね。
そうすると、顧客から企業への安心感や信頼感が生まれます。
徹底的な価値提供が自社や自社商品への信頼が上がる
顧客からの信頼感こそが、「のれん」と呼ばれるものです。
のれんとは?
のれんとは、企業が持つブランドやノウハウ、顧客資源、従業員の経験などを総称する無形固定資産のことです。
のれんに含まれるものが具体的に何かという、
- ブランド
- ノウハウや技術力
- 顧客との関係
- 従業員の能力
- 社長のリーダーシップや認知度
- 技術力
- 地理的条件
- 特許
など、数値で表せないものがのれんになります。
これらに対するエンドユーザーからの認知がのれんの大きさを大きくします。
その仕事はお客様のためか?投資先の企業はお客様を見ているか?
マーケティングをしていると、ふと、数字ばかりを追いかけている自分に気付きます。
売上や広告運用のROASのチェック、GA4を眺めたりしますよね。
でもそれは本質的なことではなかったんです。もちろん売上は重要指標の一つですし、毎日チェックは絶対欠かせないものです。今、自分たちの部署の売上がわからないなんてありえないです。
でも、売上分析もROAS改善も、GA4分析も手段にしかすぎず、目的ではなかったんです。
目的はお客様に良い印象で接触し、徹底的に喜んでもらい、悩みを解決し、感謝されることだったんです。それが信用につながるんです。
そうすると、会社に「見えない資産(BSの左側)」が乗っかってくるんです。
それが「のれん」です。
株式投資するなら、顧客満足度や顧客のことを考えたビジネスを心がけている企業に投資しましょう。
それは綺麗事ではなく、BSから見ても、のれんを大きくする行為であり企業価値を大きくし、時価総額を上げてくれるものだからです。
信用がたまりブランド力が高めながら株式を発行する
信用やブランド力の残高が高めながら、株式を発行して新たな資本を入れることができます。
第三者に株を発行したりできます。第三者割当増資とか言ったりします。
第三者割当増資とは、特定の第三者に新株の割り当てを受ける権利または新株予約権を付与して資金を集める方法です。
上場企業だけではなく、未上場企業でも上場を目指すスタートアップでよく行われています。
銀行と株主にとっての価値は異なるという話
企業価値って負債(有利子負債)も含まれるの?
企業価値 = 時価総額 + 有利子負債 − 現金及び現金同等物
この図を見て欲しいのですが、時価総額は株主のものです。
しかしなぜ有利子負債が企業価値に含まれるかというと、有利子負債は企業にとっては借金だけど、銀行から見ると利息を生む価値のある資産だからです。
だから企業価値は銀行と株主、両方の立場から価値を足し合わせたものになるのです!
のれんが時価総額をバンバン上げていく
目に見えない、バランスシートにもPLにも数値として載ってこない「のれん」という信用が、時価総額をバンバンに押し上げます。
なので先ほど説明したように、丸仙代山岡家でみたように、
純資産27億4200万円であるにもかかわらず、
時価総額が212億円という時価総額がついているのは、山岡家のサービスの良さや味、技術、期待感、そういったものが相待って山岡家に今、212億円という価値がついているのです。
正に、この正体が「のれん」というものなんですね。
時価総額とは?
時価総額とは何かというと、株価と発行株数を掛け合わせたものです。
株を買うってどういうこと?
先ほど見た、山岡家の株価が上場以来ずっと高値を更新し続けています。
株価が右肩上がりということは、過去に株を買った人たちが今後も株価が上がり続けるという期待感の表れです。
「のれん」の幅がどんどん押し上げているから株価が上昇しているんですね。
のれんとは?時価総額 – 純資産
ここまで読んでくださった方ならもうお分かりの通り、
のれん = 時価総額 – 純資産
ということができます。
上場企業を見ていると、純資産以上に時価総額の値がついている企業がたくさんあります。
割高と思われることもありますが、それだけ投資家たちの期待感もあるということなんです。
その期待感の表れを表す指標がPBRと呼ばれるものなんですが今回は割愛しますね。
のれんに含まれるものはどんなものがある?
のれんにはこのようなものがあります。
- 顧客を喜ばせて感謝されて素晴らしい問題解決をしている
- ブランド力
- ノウハウ
- 品質
- 信頼性・信用性
- アイディア
- 販売網
- ビジネスモデル
- 戦略
- 人的資産
- 地理的優位性
- 経営者
- 特許
- 著作権
- 他の株主(誰が株を保有しているか)
などが含まれています。
他の株主(誰が株を保有しているか)といったことものれんに含まれるか?という例で言えば、投資の神様、ウォーレンバフェットが伊藤忠商事の株を買い付けたことで、伊藤忠商事の株価が爆上がりしたことは記憶に新しいです。
まとめ
今回の内容で1番押さえておいてほしいパーフェクト図解はこれです。
時価総額とは何か、企業価値とは何か、のれんとは何か?は全てこの一枚で理解することができます。
そして、時価総額を上げたいなら、究極、顧客のため、お客様のため、地域のため、人類のため、地球のために企業活動を行う、そんな企業がどんどん企業価値を大きくしていくとわかると思います。